炭水化物抜きダイエットは体に悪い
そもそも、炭水化物ってなに?
炭水化物は主食に含まれる植物由来の栄養素で、ご飯や麺類、パンなどに多く含まれています。
炭素(C)に水素(H)と酸素(O)原子が結合した分子によって構成される成分で、
炭素原子に水(H2O)が結合していることから“炭水“化物と呼ばれています。
炭水化物には、消化・吸収されて糖に分解されることでエネルギー源になる糖質と、
人間の消化器官では消化・吸収することのできない食物繊維(セルロース)から構成されています。
草食動物はセルロースを分解することによってエネルギー源として利用しますが、
人間や肉食動物は食物繊維を分解することができない為、エネルギー源とはならず、そのまま排泄されます。
糖質+食物繊維=炭水化物
人間は生きるためのエネルギー源として糖質を、お腹の調子を整えるために食物繊維をそれぞれ摂取しています。
エネルギー源として利用することができない食物繊維も炭水化物に含まれますが、一般的に栄養の摂取基準としては糖質の量で表されています。
人間の体はたんぱく質や脂質もエネルギー源として利用するので、必要なカロリーを全て糖質で取る必要はありません。
ただし、脳はエネルギー源として糖分しか利用できないので、人が生きるためには糖質の摂取が必須という事です。
人間は糖質が必要
人間が摂取すべき糖質の割合は、必要なエネルギーの50%~70%程度と言われています。成人男性であれば1日約2,000kcalのエネルギーを必要としますが、そのうち糖質は1,000~1,400kcalに相当します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によれば、成人の日本人が1日に取るべき糖質の量は260gで、最低限取るべき量は100gとされています。
1日の摂取目安
単純に1日に必要なエネルギーだけで計算すると、普通の茶碗に入れたご飯が4~5杯ぐらいになります。
※普通の茶碗にご飯を入れた場合は約140gで235kcal
ただし、イモ類やカボチャなどの野菜、果物などにも多くの糖質が含まれているので、
毎日茶碗4杯分ものご飯を食べる必要はありません。
パンや麺類にも糖質が含まれていて、菓子パン1個あたり100~200kcal、うどん1玉で約270kcalとなります。
成人であれば1日あたりご飯を1~2杯程度食べて、残りはパンや麺類、野菜・果物などで取れば良いでしょう。
食物繊維の摂取基準
「日本人の食事摂取基準」によると、1日に摂取すべき食物繊維は男性が19グラム以上、女性が17グラム以上とされています。残念ながら、40代以下の日本人は平均で1日あたり12~15グラムの食物繊維しか取れていないと言われており、多くの人が食物繊維不足ということになります。炭水化物には食物繊維も含まれているので、バランスよく摂取する事をお勧めします。