カルシウムの栄養吸収を助けるビタミンKとは?
1.栄養素の特徴
不足すると、骨粗しょう症を引き起こしかねないカルシウム。
しかし、カルシウムばかり摂取しても、実はあまり効率のよい取り方とは言えません。
そこで、効率よくカルシウムを摂取するために「カルシウムの吸収を助ける」栄養素が存在します。
その栄養素の1つがビタミンKです。
ビタミンには、ご存知のように様ざまな種類がありますが「K」というのは聞きなれない人も多いかもしれません。
では、ビタミンKにはカルシウムの吸収を助ける以外に、どのような働きがあるのでしょうか?
■ビタミンKの主な働き
- 骨の形成を促進する
- 骨の破壊を抑える
- 血液を凝固する
- 動脈硬化を防ぐ
このように、やはり骨に働きかけることが多いビタミンKですが、
血液の凝固や動脈硬化防止にも働きかけてくれます。
一般的に、血液凝固の妨げになるくらいビタミンKが不足する事態には、あまりなりません。
ただ、新生児や乳児に関しては注意が必要です。
そして骨への働きかけに関しては、血液の凝固のためよりも、より多くのビタミンKを摂取する必要があります。
では、ビタミンKは1日にどのくらい必要で、どのように摂取すると効果的なのでしょうか?
まずは普段の食事から見てみましょう。
2.普段の食事には・・・
1日に必要なビタミンKの摂取量は、
◇一般的な1日の摂取目安量=男女共150μg
◇カルシウム不足でなりやすい骨粗しょう症の予防=男女共250μg~300μg
◇血液凝固を指標とした場合=成人男性65μg・成人女性55μg
とされています。
※1μg(マイクログラム)=0.001mg
一般的な食事メニューに含まれるビタミンKの量は、次のようになります。
【食事メニューの一例】
(ビタミンK量の参考URL:http://vitamine.jp/bita/bitak01.html)
この1食で摂れるビタミンKの量は1,096μg。
ビタミンKが1番多く必要な骨粗しょう症の予防目的でも、250μg~300μg摂取すればいいわけですから
少し工夫するだけで充分なビタミンKが取れると言えます。
ただ、今回はビタミンKに着目しているのでこのような結果になりましたが、
もちろんビタミンKだけ取ればいいという話ではありません。
カルシウムの吸収率を高める効果を発揮させたい場合、カルシウムと一緒にバランスよく取ることが大切です。
ちなみに、健康な人がビタミンKを取りすぎることで体調に支障をきたすという例は発表されていません。
しかし、ワルファリンという抗血液凝固薬を服用している方は注意が必要ですので、医師の指示に従って下さい。
3.ビタミンKが含まれている食品の例
先程は食事の1例でしたが、ビタミンKが多く含まれている食材には、次のようなものがあります。
食材100g当たりのビタミンKの含有量(単位: μg⦅マイクログラム⦆)
(ビタミンK量の参考URL:http://vitamine.jp/bita/bitak01.html)
4.こんなにも違う!食材比較
上記のように、ビタミンKの入っている食品は多々ありますが、食材によって含まれる量に差があります。
たとえば、同じのりでもほしのりに含まれるビタミンKは2,600μg、一方焼きのりは390μg。
干しのりは焼きのりの6倍以上ビタミンKが含まれていることになります。
■食材のビタミンK量の比較
ただ、100g中比較すればビタミンKの量が多い食材でも、
1食分にどのくらい調理をするかによって摂取するビタミンK量の多さが逆転する場合もあります。
食材100g当たりのビタミンKの含有量(単位:μg) (ビタミンK量の参考URL:http://vitamine.jp/bita/bitak01.html)
5.今夜からビタミンKを摂りたいあなたに
ビタミンKは、カルシウムに比べると比較的摂取しやすく、
不足してしまうということはあまりないようです。
それでも、カルシウムを意識して献立を決める際に、
小松菜や納豆を使った1品加えてみましょう。
特に納豆は簡単にビタミンKを多く摂取することができますが、
納豆が苦手な方は小松菜を使って胡麻和えや炒め物などをセレクトしてみてください。
食材100g当たりのビタミンKの含有量(単位:μg)
(ビタミンK量の参考URL:http://calorie.slism.jp/)
年齢とともに不足しがちなカルシウム。
せっかく、丈夫な骨や歯を維持するために意識して摂取しても体内に吸収されなければ効果は薄れてしまいます。
吸収を高める食材の1つビタミンKを一緒に摂ることで、
効率よくカルシウムを吸収し丈夫な骨作りを目指しましょう。