骨粗しょう症の薬の注意点
骨粗しょう症は、閉経以降の女性に多く、骨折すると寝たきりになることも多いことが
大きな問題となっています。現在日本には約1300万人の患者さんがいると推定されています。
骨粗しょう症の薬には何種類かありますが、学会のガイドラインでは、
第一選択薬はビスホスホネートという薬を使うことになっています。
ビスホスホネート薬の服用方法
ビスホスホネートには何種類かの商品がありますが、ボナロンやホサマックという名前の商品が
よく使われます。これらの薬は毎日飲むタイプの薬ではないので、服用方法もご注意ください。
- 週に1回の服用タイプ
- 1か月に1回だけの投与タイプ
例えば、「金曜日に飲む」、「月曜日に飲む」など曜日を決めて服用します。
うっかり飲み忘れが多いそうで、しっかりとスケジュール管理が必要になります。
毎日飲む他の薬と一緒に服用してしまわないように、慣れるまでは気をつけましょう。
注意点
この薬を服用するにあたって、気をつけなければならない事がいくつかあります。
① 空腹時に服用しないと充分に吸収されないということです。
そのため、朝起きたらすぐに飲むようにと指示されることが多いですが、朝食を食べてから
「あっ!」と気づくことも多いようです。
薬の飲み忘れが、医師や患者さんたちが頭を悩ませる点です。
② 胃酸が逆流しやすくなるという副作用があります。時には、食道炎や食道潰瘍を引き起こすこともあります。
この副作用を避けるために、この薬を飲んだ後、少なくとも30分は横にならない事が基本です。
③ この薬を服用中に歯医者で歯の治療などの処置を受けると、
極まれに顎骨壊死という合併症を起こすことがあります(=あごの骨が溶けてしまうという合併症)
そのため、虫歯がある人や歯医者で治療中の人は、治療が終わってからこの薬を飲み始めます。
歯科治療を行う際は、この薬の服用を中止して行わなければならないこともあります。
※歯医者で治療を受ける時は、必ずこの薬を飲んでいるということを担当医に告げてください。
まとめ
ビスホスホネートは、週に1回しか飲まないし、骨粗しょう症も初期の頃は自覚症状も乏しいため、
効果を実感できないこともあるでしょう。しかし、だからと言って、黙って他の病院にも行って
薬を貰ってくるということは絶対にやめてください。
何らかの体調不良で医療機関を受診する時は、お薬手帳などを持参して、この薬を服用中であることを告げてください。
これは骨粗しょう症の薬に限らず、他の薬やサプリメントでも言えることなので、気をつけましょう。