【第8回】眞鍋教授インタビュー〜あなたの健康寿命を伸ばすために大切な2つのこと

【第8回】眞鍋教授インタビュー〜あなたの健康寿命を伸ばすために大切な2つのこと

「ずっと健康でいたい」。それは、誰もが望んでいることではないでしょうか。
でも気がつかないうちに体が蝕まれ、ある日突然病気で倒れたり、転倒や外傷などで致命傷を負ったりしてしまうケースも見られます。
とはいえ、現在では医療技術が発達しており、一昔前であれば致命傷になるような疾病・症状、傷害であっても一命を取り留めることもあるでしょう。

しかし、問題は「それ以降」です。

日本人の平均寿命は年々伸びていき、いまや日本は世界でも有数の長寿国になりました。
これは医療技術の発達はもちろんのこと、衛生面や栄養状態の改善が平均寿命を押し上げていきました

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厚生労働省公式HP『完全生命表』より

しかし、その実態はどうでしょうか?
寿命が伸びることは喜ばしいことですが、喜ぶだけではいられない現状があります。

病気で長い入院生活を強いられ、退院後も不調が続いてしまったり、介護が家庭の問題になったりしているケースがよく見られます。
不健康な生き方はあなた自身だけでなく、残された家族にも大きな負荷を与えてしまうのです。

そうならないために今からやっておくべきことは何か、今回は東京大学名誉教授・日本学術会議会員の眞鍋昇教授にお話を伺いました。

 

●1 健康について「誤解」が多い!

東京大学名誉教授の眞鍋昇

眞鍋昇 東京大学名誉教授

ーー眞鍋教授の持論の中で、世の中には「健康」について誤解があると説いています。

眞鍋教授:そうなんです。今は常に「パラダイムシフト(常識や思想、価値観などの大胆な変化)」が起こっている。

例えば、昔の人は足腰を鍛えるために、うさぎ跳びを推奨していましたよね。でも、膝などによくないことがわかり、今やうさぎ跳びは禁止ですよね。そういった流れってあるんですよ。

ですけど、食事や健康については時代が変わったにも関わらずまだ誤解があふれています。
例えば、教育の現場において、家庭科や保健体育なので食事をその日に生きるエネルギー(燃料)として取りましょうという教育がされています。確かに生きていく中でエネルギーは必要だけど、もっと大事なのは細胞の新陳代謝のためでもあると。

僕らが思っているより細胞と言うのは早く生まれ変わっているし、細胞の中身も入れ替わっている。古い部品を使いまわしすることもあるんだけど、やっぱり新しい部品も必要。

そういった中で、例えば、タンパク質が足りない食事をしていると、短命で終わる可能性が高い。身体の免疫力が低下するからです。
日本では、かつて結核が大流行していました。よく免疫という言葉が雑誌によく書かれます。免疫という言葉は大きいくくりではありますが、白血球が常にフレッシュな状態で供給されているかどうかが免疫力を左右する。白血球が供給されなくなると、外敵の方が強くなるので感染症にかかりやすくなる。がん細胞もそうで、2分に1個発生すると言われている。しかし白血球ががん細胞と戦っているから簡単にはがんには侵されません。

しかし、白血球の異常によりがん細胞がたまたま生き残ってしまうと、それが体中に散ってしまいます。白血球の再生を常にキープしていることが大切です。

身体の免疫力を強くキープしておかないと病気にかかりやすくなる。伝染病も然り。

ーー健康について正しく理解できている人と理解が不足している人がいて、理解が不足している人の方が多いような気がします。

眞鍋教授:その通りです。健康を害し、病気にかかってからでは遅い。普段から健康に留意して病気の予防に努めなければならないのです。しかし今日の医学の分野の中で、予防医学は非常に遅れている。自動車事故に例えると、事故が起こって修理すると言うことに関しては一所懸命やります。一般的な医療行為であり、それはお金になるから。しかし本来なら事故が起こらないようにするのがいちばんいい。ただ事故が起こらなければお金にならないので、こう言うと怒られるんだけど、医者は病人が減ると困りますね。

ーー売り上げにならなくなりますからね

 

●2 平均寿命よりも大切なのは「○○寿命」

ーー「健康寿命」という言葉を耳にするようになりました。健康寿命とはなんでしょうか?

眞鍋教授 :健康寿命とは、「健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間」のことです。2010年の日本人の平均寿命は、男性79歳、女性86歳。健康寿命は、男性70歳、女性73歳です。「平均寿命と健康寿命の差」は、日常生活に制限のある「不健康な期間」を表しています。つまり、この差が大きくなると、医療費や介護費が増え、個人の生活の質の低下や家族の負担が大きくなってしまうのです。
資料:平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」
健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_02.pdf)

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健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_02.pdf)

ーーでは、なぜ「平均寿命」と「健康寿命」の差が生まれるのでしょうか?

眞鍋教授:差が生まれる原因は、生活習慣にあります。生活習慣が乱れると、身体の恒常性維持に欠かせないホルモンの分泌などが乱れて、大変な病気にかかってしまいます。一番よく言われるのが、自律神経失調症です。その他にも、心理的なものから、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、大腸にまで影響を及ぼします。

もう1つは、慢性的な身体の弱体化と突然の事故の複合的な要素によるものです。代表的なのは、転倒による骨折です。自宅で足をぶつけた、外出先で転んでしまったなどによる骨折から、介護につながるケースが増えています。

 

●3 病気の予備軍は患者になる前の最終段階である

ーー病気になってからでは遅いけれど、病気になっていることに気がついていない人も多いかと思います。早く気づいたほうがいいですよね。

眞鍋教授:そうですね。これは、自分が元気なときは案外気にならないことなんです。
だんだん歳をとっていき、身の回りで病気になる人や亡くなっていく人が出てくると、明日は我が身だなと考えるようになります。そうなって初めて気がつく人が多いのです。
もちろんその時点から頑張るのは悪くはないのですが、その時点になって気をつけていくよりも、もう10年位早くから気をつけ始めた方が良いのです。もうその時には病気の予備軍になっているかもしれないのですから。

ーー病気の予備軍になっている人は、患者になる前の最終段階になっていると言えるのではないでしょうか?

眞鍋教授:そうなんです。完全に病気になってしまったら、もうお医者さんに頼るしかありません。しかし、その半歩前にあたる方は、しっかり対処したほうが良いですね。それはやはり運動、そしてバランスの良い食事。もう1つ言うならば、睡眠時間も重要です。

ーー運動・食事・睡眠時間についてどのように実践すればよろしいでしょうか。

眞鍋教授:バランスに心がけることです。睡眠時間は自分にピッタリの睡眠時間を毎日おなじように確保しておくことです。
運動で言えば、現代人は運動量が減っています。毎日しっかり歩くなど無理なく適度の運動を心がけること。なんといっても大切なのは栄養バランスの良い食事をこころがけることです。
その2つを実践できているのか、小学校の先生をされていた方々が還暦を過ぎても健康でお元気なようです。

ーーなぜですか?

眞鍋教授:小学校の先生は適度に教壇に立っているし、体育もする。あとは栄養バランスの良い給食がありますからね。

ーーなるほど!

眞鍋教授:一方で、40代になってから単身赴任した友人な男性は5年位で脳の障害で倒れてしまいました。おそらくですが、単身赴任をすると栄養が偏るんですね。好きなものしか食べなくなるし、外食も増えて塩分も多く摂取してしまいます。倒れる前、本人は高血圧気味だと話していましたが…。

ーー高血圧という病気の予備軍であったということだったことに、栄養が偏る環境になってしまったから、結果的に…。

眞鍋教授:そういうことだったのですね。

 

●4 健康で長生きをするために大切な2つのこと

眞鍋名誉教授、説明中

ーー病気の予備軍にならずに健康で長生きをするために大切なことはなんでしょうか?

眞鍋教授:1つめは、身体と健康について正しい知識を得ることです。たとえば、よく「骨を丈夫にする=カルシウム」と言われていますが、実はそうではありません。骨を丈夫にするには、コラーゲンの力が必要なのです。しかし、コラーゲンは口から摂取しただけでは体内では生成されません。このように、身体や健康について正しい知識を得ることです。
2つめは、生活習慣を見直すことです。知識を得ただけでは50点。残り半分は、現在の生活を見直して、身体の状態と照らし合わせながら正しい知識を活かしていくことです。

いかがでしたか?
今回は、眞鍋教授に「健康寿命を伸ばすために大切なこと」についてお話いただきました。
いつまでも健康でいるには、運動、食事、睡眠が大切です。

病気になる前からこれらに気を配ることで、健康寿命を伸ばしていきましょう。

次回からは、「健康で長生きするために必要なこと」についてシリーズ化してさらに詳しくお伝えしていきます。

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