骨の新陳代謝を上げる3つの方法
髪の毛をブラシでとかすと、何本か抜けてブラシに付いていることはありませんか?
でも髪の毛が抜けたからといって、そのまま生えてこないことはありませんよね。
古い髪の毛が抜けると、また新しい髪の毛が生えてきます。
このように、人間の体毛や皮膚は常に生まれ変わっているのです。
1.細胞は毎日生まれ変わっている!
しかし、生まれ変わっているのは、体毛や皮膚だけではありません。
実は、「骨」も生まれ変わっていることをご存知ですか?
わたしたちの体は、約230種類、60兆個もの細胞からできています。
この細胞は、1日に約2%が死滅し、新しい細胞と置き換わっています。
このように、古いものが新しいものに次々と入れ替わることを「新陳代謝(しんちんたいしゃ)」といいます。
では、これらの細胞はどのくらいの期間で入れ替わっているのでしょうか?
まずは細胞の寿命について見てみましょう。
細胞の寿命
次に、新陳代謝にはどのような働きがあるのかを見てみます。
新陳代謝の働き
新陳代謝が活発になると、細胞の生まれ変わりが早くなります。
これによって肌の状態や血行も良くなるため、若さと健康を保つことができます。
しかし、新陳代謝が下がると、細胞の生まれ変わりが遅くなり、若さや健康を保つ力が衰えてきます。
2.骨も再生しています!
わたしたちの体の中の約60兆個の細胞は、日々新しい細胞に生まれ変わっています。
それは骨の細胞も同じで、骨も再生しているのです。
骨の細胞には、骨を壊す「破骨細胞」と骨を造る「骨芽細胞」の2種類があります。
骨芽細胞の寿命は、6~12か月。
破骨細胞によって骨が壊され、骨芽細胞によって骨が造られるというサイクルをくり返しています。
新陳代謝が下がると骨芽細胞の働きが弱くなり、破骨細胞の働きが強くなります。
このような状態になると、しだいに骨が弱くなり、骨粗しょう症を引き起こすことも。
健康な骨を維持するには、新陳代謝を活性化させることが大切です。
では、どのように活性化したらいいのでしょうか?
3.新陳代謝を活性化させるための3つの方法
新陳代謝の働きに大きな影響を与えるのが、睡眠、運動、食生活です。
新陳代謝を活性化させるには、次の3つのことを心がけましょう。
1. 生活習慣(十分な睡眠・適度な運動・体を冷やさない)
新陳代謝を上げるのにまず重要なのは、十分な睡眠をとること。
睡眠中は、成長ホルモンが分泌されたり、タンパク質が合成されたりしています。
十分な睡眠をとることでこれらの働きが活発になり、新陳代謝を上げることができます。
また、適度に運動することも不可欠です。これは、運動をすると体温が上がり、基礎代謝が増えるからです。
ウォーキングやジョギング、簡単な体操など、自分が無理なくできる運動を取り入れてみてはいかがでしょうか?
これとは反対に、体が冷えると代謝は下がってしまいます。
体温が低いと体温維持のために熱をつくり出す量も少なくてすむため、消費エネルギー量も少なくなります。
体温が1℃下がると、代謝は約15%も下がるため、体は冷やさないようにしましょう。
2. 栄養バランスのよい食事
新陳代謝を上げるためには、栄養バランスのとれた食事を摂ることも大切です。
いつも好きなものや同じようなものばかり食べていると、栄養が偏ってしまいがち。
とはいえ、食材の栄養素を1つ1つ計算するのは大変ですよね。
まずは、摂りすぎているものを減らし、足りないものを増やすように意識することから始めてみましょう。
3. 良質なタンパク質の摂取
タンパク質は、細胞の新陳代謝のために絶えず消費されている栄養素。
不足しないように、毎日食べ物から摂取しなければなりません。
この「タンパク質」は、20種類のアミノ酸が数珠のようにつながったもの。
この20種類のアミノ酸は、体内で作ることのできない必須アミノ酸と、体内で作られる非必須アミノ酸に分けられます。
必須アミノ酸には9種類あり、これらは毎日の食事から摂る必要があります。
食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを数値化したものを「アミノ酸スコア」と言います。
このスコアが高いタンパク質を摂るようにしましょう。
(アミノ酸スコアの参考資料:http://cp.glico.jp/powerpro/protein/entry01/)
わたしたちの体の中の骨は、日々生まれ変わっています。
骨粗しょう症にならない丈夫で健康な骨を作るには、新陳代謝を活発にすることが大切なのですね。