身体を光らせる? タンパク質の品質
前回の記事では三大栄養素について解説しましたが、
今回はその中でもタンパク質に焦点をあてたお話をしていきたいと思います。
あなたはタンパク質と聞いて何を想像しますか?
一般的には肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品・・・といったところでしょうか。
健康に詳しい方ならアミノ酸を想像するかもしれませんね。
実をいうと、タンパク質は私たち日本人の多くが、まだまだ知らない真実がたくさんあるのです。
そのあたりを詳しく探ってみましょう。
1 タンパク質の「不思議」
そもそもタンパク質とは一体なんでしょうか?
科学的に言えば、アミノ酸が鎖状にたくさん連なってできた分子のことで、
私たちの身体、主に筋肉・臓器・血液や骨などの主成分となるものです。
そして、タンパク質は、なんと10万種類を超えると言われています。
タンパク質と聞くと食物が話題になりますが、実をいうと、蛍の光もタンパク質が関係しているのです。
蛍はお尻の近くに発光器と呼ばれる黄色いものがついています。その中の物質が蛍の体の中で化学反応を起こして光を放ちます。このとき、蛍のお尻を光らせるのが実はタンパク質の一種なのです。
他にも、身近な例でいうと、コラーゲンやヘモグロビンがタンパク質です。
ヘモグロビンは、肺から全身に酸素を運ぶ役割を担っています。
コラーゲンは、骨・軟骨・腱・靭帯・真皮などを構成するもので、
それぞれの弾力性や強度を保つのに役立つタンパク質の1つです。
このように、タンパク質は身体のあらゆる部分に影響を及ぼしているのです。
2 人間が作り出せないアミノ酸
タンパク質を語るときに欠かせないのがタンパク質を構成しているアミノ酸です。
アミノ酸は20種類あり、体内で合成されるものとされないものがあります。
この中で、◎印の9種類は体内で合成されないため、必須アミノ酸と言います。
テレビやインターネットで一度は耳にしたことがあると思いますが、
必須アミノ酸は食べものからでしか補うことができません。
しかし、その詳しい働きまで把握している人は少ないでしょう。
ですから、この機会に覚えてみるのも健康な食生活を送るためには良いかもしれませんね。
3 コラーゲンもアミノ酸になる?
ここまでアミノ酸についてお伝えしてきましたが、コラーゲンもアミノ酸から構成されています。
コラーゲンの構成は、その1/3がグリシン、21%がプロリン、そして11%がアラニンとなっています。
よくコラーゲンはぷるぷる成分として有名ですが、それ以外にも多くの働きがあります。
例えば、コラーゲンには身体の様々な部位に強度を与える役割があり、
コラーゲンの細線維(※)のおかげで骨折などの怪我から身体を守っているとも言えます。
さらに、コラーゲンには細胞の分裂に対する情報伝達の役割もあると言われています。
このように、コラーゲンは人間が生きている限り欠かせない物質なのです。
※植物のセルロースのような「せんい」を「繊維」と記載し、 人間や動物の身体の「せんい」を「線維」と記載します。
4 おわりに
こうして考えると、タンパク質は私たち人間の身体をつくるために必要不可欠であることを改めて実感できると思います。
そして、蛍の光と同様に人を光輝かせるのもタンパク質です。
つまり、あなたがタンパク質をしっかり摂取することで強靭な骨や、
つやのある美しい肌を保つことができるのです。
これから先も長きに渡って健康を維持するためにもタンパク質への理解を深め、
必要な分量をきちんと摂取していきましょう。
※参考サイト
http://iss.jaxa.jp/kiboexp/theme/first/protein/about/index.html