炭水化物は多くて良い! 健康を保つ三大栄養素

炭水化物は多くて良い! 健康を保つ三大栄養素

バランスの良い食事は健康な身体をつくります。
ごく当たり前のことですが、忙しいとついつい食生活が乱れてしまうことってありますよね。

実際に、食事の間隔が空きすぎると、ご飯を大盛りにして糖質を摂りすぎる方は少なくないと思います。
でも、本当のところ、食事はどのくらいの摂取量が正しいのか判断しづらいですよね。

そこで、タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素にフォーカスして、
食事の摂取量にまつわるお話をしたいと思います。

 

1 こんなにも?一生に食べる食物の総数

そもそも私たち人間は一生の間にどのくらいの食物を食べるのでしょうか。
栄養学者として有名な五明紀春氏は著書『<食>の記号学 ヒトは言葉で食べる (大修館書店 ドルフィンブックス 1996年初版発行)』で、人生を80年と仮定した食物の総量を次のように伝えています。

米6トン(ご飯11万杯分)
小麦2.6トン(食パン7千斤分)
肉2.2トン(牛6頭分)
卵1.3トン(3万7千個)
牛乳3.4トン(牛乳ビン1万7千本分)

砂糖300キログラム
油脂540キログラム
豆類2.1トン
魚介類3トン
野菜7.5トン
果実類3.8トン
海藻177キログラム

その他、細かい食物を加算するとなんと、約50トンになると同氏は提唱しています。
引っ越しをするときの2トントラックが25台分の計算ですから、想像しただけでもお腹や破れそうな量ですよね…。

人生 食物 総重量

 

2 タイのベジタリアンはカロリーオーバー?

さて、私たち人間が一生に食べる量を知りましたが、食事量は人によって違いますよね。
たくさん食べる人もいれば、少量しか食べない人もいます。

事実、日本では厚生労働省がメタボを抑制する施策をとっていることもあり、健康的な食事が流行しているので、
エネルギー摂取量が20年前と比べて約100Kcal減少しています。(厚生労働省調べ)
ただ、食事は必ずしもたくさん食べることが悪く、少量なら良いというわけではありません。
あくまでバランスが大切なのです。

そのあたりをタイのベジタリアンを事例にご紹介します。

ベジタリアンとは菜食主義者のことを言いますが、主に2種類あります。
1つはアレルギーのため動物性食品が食べられないタイプで、
もう1つは倫理上の理由から肉類に手がすすまないタイプです。

さらに、
・動物性食品を一切受けつけないビーガン
・乳製品なら食べても大丈夫というラクトベジタリアン
・魚介類だったら食べても良いというペスクタリアン
というように枝分かれしています。

そして、東南アジアのタイにはベジタリアンが多いと言われています。

でも意外なことに彼らの中では太っている人が多いのです。
なぜかというと、お米が主食だからなんですね。
もちろん、野菜も食べていますが、お肉を食べない分、
お米などの炭水化物たくさん食べてしまうからカロリーオーバーになってしまうのです。

栄養成分について言うと、例えば、お米100グラムに対して、
体内で利用価値があるタンパク質は、たったの6グラム程度。
それに対し、脂質は0.9g、炭水化物はなんと77gも!
栄養のバランスは、タンパク質:脂質:炭水化物=1:3:9が理想なので、
炭水化物が「9」の値をはるかにオーバーしてしまうのです。

米 食べ過ぎ ベジタリアン

本来、ベジタリアンであるならば、お肉の代わりに大豆などを摂ることが必要ですが、
タイでは意外と大豆を食べる文化が根付いていないのです。
そういう意味では、日本人は大豆を摂る習慣がありますよね。
ですから、必然的にカロリーオーバーになってしまうのです。

 

3 宇宙食でわかった?欠かせない栄養素と最適摂取量

ヘルシーに聞こえるベジタリアンでも、バランスを誤った偏食は身体に良くないということがわかりました。
でも、毎日の食事で栄養バランスを整えることは、簡単でないかもしれません。

しかしながら、栄養バランスが完璧と言える食事環境が存在することをご存知でしょうか。

それは宇宙食です。
宇宙食は実はとても優れた栄養バランスなのです。

宇宙飛行士は宇宙食を除いて栄養を一切摂取することができません。
そうは言っても、健康を維持するために栄養を不足させるわけにはいきません。
中でもカロリーを不足させてはいけないとJAXA(宇宙航空研究開発機構)で定めらています。
http://iss.jaxa.jp/spacefood/overview/function/

当然ですが、栄養が不足するとパフォーマンスが落ち、生命の危険に陥る可能性があります。
宇宙という過酷で特殊な空間であることを考えると、栄養不足は決して許されないのです。

 

4 三大栄養素、理想の摂取割合は?

三大栄養素について、ベジタリアンや宇宙食といった観点から解説してきましたが、一度おさらいしてみましょう。

三大栄養素の摂取割合は、炭水化物9:脂質3:タンパク質1が理想です。

私たち人間の身体は、炭水化物が欠乏するとタンパク質をエネルギーにしようとします。
そのため、本来ならタンパク質が供給される部分に、
十分なタンパク質が行き届かなくなるため、体に異変が現れるのです。
例えば肌が荒れたり、薄毛になったり、
脂肪が燃やしにくくなって代謝が悪くなり、体重が落ちにくくなったりします。

これをオートファジーと呼ぶのですが、これは危険な徴候でもあります。
なぜなら、タンパク質は筋肉、臓器、血液や骨など身体をつくる素材ですから、
それが別のものに使われるということは、身体が弱くなったりするかもしれないからです。

ですから、もし食事の摂取量を抑えるなら、炭水化物やカロリーではなく糖質を制限しましょう。
ちなみに、炭水化物の1日の適正摂取量は、
40歳女性(体重53.1kg)であれば254g~305g(ご飯をお茶碗2杯分)、
50歳女性(体重53kg)であれば237g~285g(ご飯をお茶碗1杯半)を目安にしましょう。

炭水化物 1日あたり 理想摂取量

5 補足:宇宙食は災害食にも応用可能?

ちなみに、非常時には宇宙食を!という提言があります。
まだまだ記憶に新しい東日本大震災は非常に過酷な環境でした。
被災者たちは食事も満足にとれない状況で、避難所における栄養問題も指摘されていました。

そこで、完全食である宇宙食であれば、非常時の栄養問題を解決することが可能だと言えます。
また、食器なしで食べられたり、賞味期限が1年以上なので備蓄できたりと様々なメリットがあります。
もちろん、長期に渡って摂る場合は、ビタミンの補給や味の満足度などの向上といった課題もありますが、
宇宙食を災害時に役立てようとする声も高まっているようです。

※JAXA中沢孝氏の論文「宇宙食の現状と災害食への活用」より
http://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-STT144J-15.pdf

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