なぜ、私たちは毎日食べるのか
「あ~お腹が空いた~」と、私たちは仕事を終えたときなど、
ついついたくさん食べてしまうことってよくありますよね。
もちろん、食べものを摂取することは生きるために欠かせません。
ですが、なぜ毎日食べものを摂らないといけないのでしょうか。
よくインターネットのサイトや健康雑誌などで、人間が生活のために体を動かすとき、
必要なエネルギーを補うには毎日の食事が必須と書かれていますが、その辺りを詳しく探ってみましょう。
1、人間は体が入れ替わっている~細胞+細胞の部品の入れ替わり
もし、毎日食べることがエネルギーのためだとしたら、
「燃料」を入れて「排気」する車のように、燃料がなくなったときだけ補給すればいいはずです。
車は故障しない限り運転のたびに部品を変えたりしませんからね。
しかし、私たち人間は機械ではありませんし、熊が冬眠する前のように食べた分を貯蓄することもできません。
ある程度の時間が経てば消化・排出されて、お腹が空くのが普通です。
ですから「今日たくさん食べたから2~3日は食べなくても大丈夫」というわけにはいなかいのが現実です。
これは、私たち人間の体が常に入れ替わっているからです。
人間の体は食物を摂取することで、呼気、汗、糞尿などの、いわゆる「排出」だけではなく
エネルギーを自ら作り出して運動を行います。
ですから、車などの機械とは異なり、体の部品(細胞)を常に作り変え、
入れ替えながらエネルギーを生み出しています。
だからこそ、毎日食べものを取り入れないと生きていくことが困難になってしまうのです。
それで、人間の体はひとつひとつが細胞でできており、その数は約60兆個と言われています。
そして、その細胞は1日約2%が死滅し、新しいものに置き変わります。
これは、体のありとあらゆることろで毎日起こっているのです。
2、なぜ、大便は臭うのか~消化管も入れ替わる!
体のありとあらゆるところと言われてもイメージが湧かないかもしれません。
そこで、1つ事例をご紹介しましょう。
実をいうと、消化管も1つ1つが細胞で構成されています。
消化管とは、食物および液体を摂取、消化、排出するときにそれらが通る筋道のことで、
口腔、食道、胃、小腸、大腸、直腸、肛門のことを言います。
それで、消化管の上皮細胞の寿命は3~5日と言われていますが、死滅した細胞は一体どこへいくのでしょうか?
実は便となって出てくるのです。
つまり、大便の3分の1は死んだ細胞なんですね。
ちなみに、残りは食物繊維や水分などです。
このように、消化管でさえも食物の摂取・消化・吸収により細胞を入れ替えているのです。
でも、なぜ大便は臭うのでしょうか?
健康な人はそれほど臭わないとも言われています。
どうやら、大便の臭いは食生活に原因があるようです。
例えば、便の中にはたんぱく質が分解されてさまざまな物質が発生するんですね。
その物質には善玉菌と悪玉菌があって、中でも悪玉菌が増えすぎると、不快な臭いを出すわけです。
そういう意味でも、健康な食生活で細胞を入れ替えることが大切ですね。
3、細胞の寿命
さて、私たち人間は常に細胞を入れ替えているとお伝えしましたが、各細胞の寿命は以下のとおりです。
ご覧の通り、すぐに死んでしまう細胞もたくさんありますから、毎日食べることの大切さを実感できると思います。
それで、細胞の寿命は一体どのようにして決まるのでしょうか。
私たち人間の体にある細胞は分裂を繰り返して増殖しますが、そのほとんどは分裂する回数の限界が寿命となります。
つまり、細胞の寿命に合わせて新しい細胞に入れ替えることが必要です。
ただ、細胞を入れ替えるための材料は、基本的に私たち人間が摂取した飲食物のみです。
特に食物は細胞として吸収されますから、食が体をつくるというわけです。
英語でYou are what you eatということわざがありますが、まさにその通りなのです。
これは冷静に考えれば当たり前のことなのですが、
現代人の多くは仕事に費やす時間が多いこともあり、忙しい生活を送っています。
そのため、健康第一と言いながらもなかなか良質な食生活を送ることができない人も多いと思います。
だからと言って、毎日カップラーメンやコンビニ弁当などで食事を済ませていたら、
せっかく新しい細胞に入れ替えても、健康な体を維持するのは難しいですよね。
実際に、細胞が何か悪さをして、体が悲鳴を上げてからでは病気になるリスクも高くなってしまいます。
ですから、食べものがあなたの体をつくると言われているのは、決して大げさではなく自然の成り行きなのです。
あなたの体をつくる細胞は、あなたが食べるものによって日々入れ替わっていますから、
ぜひ良質な食生活を心がけて健康な体づくりを目指してくださいね。